みんなのセキュリティコラム(Grafsec・SPREAD共同コラム)2022年7月13日配信

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【みんなのセキュリティコラム(Grafsec・SPREAD共同コラム)】
                    2022年 7月 13日配信
 『活力あるコミュニティの形成』
    特定非営利活動法人電子自治体アドバイザー・クラブ
    事務局長 多田充朗 様
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●活動を始めたきっかけ
2000年7月、政府は、IT戦略会議を設置し、11月にIT基本法を
制定し、各自治体ではITの恩恵を享受すべくIT化の取組みを始めま
した。IT人材が不足し、企業OBが、行政の活性化に貢献することが
求められていました。この時代背景の下、2004年6月、企業OB
の有志が電子自治体アドバイザー・クラブ(e-AAC)を立ち上げま
した。急速に進むIT化の中で、情報セキュリティや個人情報保護の
問題が顕在化し、セキュリティポリシーの作成が急務となりました。
当初のe-AACの活動も、行政システムの助言や「組織」におけるセ
キュリティポリシーを支援することが中心でした。

●セキュリティの脅威
インターネット時代になり、若者はインターネットネイティブ、高
齢者が蚊帳の外で世代ギャップが生れ、デジタルデバイドが生じて
いました。
e-AACの活動は、「組織」から「個人」へと範囲が広がりました。
住民がICTの恩恵を公平に享受するために、子供から高齢者まで、
ICTの草の根啓発活動により、住民の情報リテラシーを向上させ、
地域力を高め、地域を元気にすることを目指しました。
2014年12月、「草の根サイバーセキュリティ運動全国連絡会
(Grafsec)」が設立され、e-AACは、Grafsecのコンセプトに共感し、
即、入会しました。インターネットやスマホの普及は私達の生活に
便利になった反面、子供達の生活に大きな影響を与え、子供のネッ
トいじめや自殺者も出てきました。e-AACは、2013年から小中
高校に出前講座を行い、「スマホとモラル」をみんなで向き合う取
組みを始めました。
「自戒の心」をもってモラルやマナーを啓発し正しい使い方を説明
しています。又、自治体として、ITの広がりによって、セキュリティ
ポリシーの見直しの支援が急務となりました。多くの機器がインター
ネットに繋がり、セキュリティの脅威も一挙に広がりました。子供
達から高齢者まで、パソコンやスマホ講座の中で啓発活動を行い、
人材育成に取組んでいます。

●地域交流活動
少子高齢社会になり、地域の多様な交流の中で、通信の地域格差や
家庭環境の格差は見逃せない課題になっていました。ICTバリアフリー
社会を目指して、市民がICTの恩恵を享受し、市民生活の向上と地域
の絆を高めて持続可能な共助社会を目指す活動を目標にしました。
パソコン、スマホ、インターネット、セキュリティ等の市民教室を
開催して、情報リテラシーの向上に努め、地域課題の解決に向けて
取り組む人材育成に取組んでいます。又、子供の科学体験として、
プログラミングやロボットなど科学に親しむ活動を通じて、科学へ
の関心を深める活動を行っています。
長年の継続活動が地域の期待に応えている証であり、IoT時代の情報
セキュリティは、草の根活動が益々重要になり、この取組みを継続
していきます。


【執筆者(多田 充朗 様)プロフィール】
特定非営利活動法人電子自治体アドバイザー・クラブ 事務局長

民間企業で、ネットワーク事業に従事し、退職後、
奈良県 県政アドバイザー(IT担当)として3年間勤務。
大和路情報ハイウエイ(高速通信ネットワーク)の構築や
行政のIT化、情報セキュリティポリシーの制作等に従事。
2004年6月 電子自治体アドバイザー・クラブを設立
理事・事務局長に就任し、現在に至る。


特定非営利活動法人電子自治体アドバイザー・クラブ
http://eaac.sakura.ne.jp/



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